神々しい日の出に期待が膨らむ
デリーのホテルを夜中の1時に出発し、南インド・ケララ州の都市、コチへ国内線で向かう。南インドは年間通して平均気温30度前後と暑く、カレーは辛くてスパイシー。シーフードカレーもバリエーションが多い。機上から見た日の出の神々しさに眠気も吹き飛び、期待感が膨らむ。
北の器は「ターリー」、南は「ミールス」
北インドでは「ターリー」と呼ばれる金属製の大皿と小皿を組み合わせた食器にカレーを数種盛って食べるが、南では「ミールス」といって大きなバナナの葉に主食のごはんや麺と数種のカレーを盛り付ける。インドの人は手でごはんやカレーを上手に混ぜながら親指で押し出すように口へ運ぶ。単純そうだが、これがとても難しい。やっぱり日本人はスプーンが必需品だ。
アレンジの醍醐味を体感
とあるレストランに入ると、ごはんとちょっとしたおかずの乗ったプレートを渡された。「あれ、カレーは?」と戸惑っていると、すかさず店員が専用のポットに入った3~4種類のカレーを持って、テーブルをめぐり、それぞれのプレートにカレーをかけていく。現地の人の食べ方を見ていると、カレーとおかずとごはん、カレーとカレーとごはんというように混ぜ合わせ、自分好みにアレンジして、組み合わせを変えながらながら食べていく。
ココナッツは日本の「だし文化」に通ずる
「シーフードカレーの研究」も今回の研修のテーマのひとつ。そこで料理研究家のもとへエビを使ったレシピを教わりに行った。少しずつ味わいの違う3種類のカレーはどれも絶品!エビの調理にも工夫があったが、目から鱗だったのがココナッツの使い方。ココナッツも日本のだしのように種類があり、シャリシャリした食感を生かしたり、濃厚な味わいにする工夫がふんだんにあった。
インドの大らかさとこだわりの美学
市場や露店めぐりも発見と驚きの連続だった。魚が床にゴロゴロ転がっていたり、目の前で鶏を捌いていたり「インドだなー!」と感じることも多かったが、一方で彩り豊かな果物や野菜を均一な円錐形に積み重ねることにこだわる一面も垣間見た。やっぱりインドは奥深いなと改めて感じる。
南インドの味の肝、カレーリーフを探して
南インドカレーの味わいの肝といえるのが「カレーリーフ」だ。フレッシュなリーフを使った爽やかな味がフィッシュカレーやシュリンプカレーの味わいを引き立てる。NSHIKIYA KITCHENでも地元・宮城の蔵王で栽培してもらい、新鮮さにこだわっている。南インドでは家々に植えられていたり、市場で買い物するとおまけにつくぐらい、なくてはならないスパイスなのだ。
南インドのクリーミーフィッシュカレー
ケララフィッシュ
南インドで食べ比べたシーフードカレーに負けない、グレードアップしたフィッシュカレーが完成しました。ゴロゴロと食べ応えのあるキハダマグロの旨みとココナッツミルクのクリーミーな味わいに、タマリンドの程よい酸味がきかせた「フィッシュカレー」はどなたにも喜んでいただけるバランスの取れた味わいです。
550円