
2025年4月、私たちは新たな美味しさを求めて、次なる旅に出発しました。 目的地は、活気あふれる美食の街「台湾(台北)」。 日本から飛行機で3~4時間。普段から片道10時間かけてインドに通いつめている私たち開発チームにとっては、少し物足りなく感じてしまうほどの距離です(笑)。
台湾といえば日本でも大人気のグルメが目白押しですが、今回のお目当てはただ一つ。「ルーロー飯」です。 すでにニシキヤキッチンのラインナップにもある定番商品ですが、2026年6月のリニューアルに向けて、本場の味を五感で確かめるべく、私たちは現地へ飛びました。
台湾の食文化と「ルーロー飯」

台湾は、独自の文化を持つ原住民の時代から、オランダ、清朝、そして日本統治時代などを経て、多様な文化を内包しながら発展してきました。1980年代後半からは急速に民主化が進み、現在はアジア屈指の多様性と活気に満ちた社会を築いています。
その歴史的背景は、豊かな食文化にもそのまま反映されています。「小籠包」や「大鶏排(ダージーパイ)」、「火鍋」「タピオカミルクティー」など、日本でもお馴染みの名物料理がたくさんありますよね。
なかでも「ルーロー飯」は、街の食堂や屋台で愛され続けるソウルフード。もともとは、お肉屋さんで余ったくず肉や脂身を無駄にしないよう、細かく刻んで煮込んだのが始まりとも言われている、まさに究極の大衆料理です。
熱気あふれる夜市へ!まずは一食目の洗礼

台湾に到着した私たちがまず向かったのは、毎晩お祭りのような賑わいを見せる「夜市(よいち)」です。 一歩足を踏み入れると、そこは人、人、人の大洪水! 熱気溢れるローカルなパワーに一瞬で圧倒されました。色とりどりのカラフルなネオン、ずらりと並ぶ見たこともない屋台の数々……これぞ台湾、という光景です。
そんな中、お目当ての「ルーロー飯」の看板を発見! 地元でも評判の人気店ということもあり、店内は超満員です。熱気に押されながら、私たちは台湾での記念すべき一食目を注文しました。
運ばれてきたルーロー飯をさっそく実食。 本場のスパイスがふわりと香る一方で、日本人である私たちの第一印象は「思ったよりも油分が多くて重いかも……?」というものでした。夜市は若いお客さんも多いため、ガツンと力強い味付けになっているのかもしれません。 美味しい、けれど私たちが目指すリニューアルの答えはここにはないかもしれない―。少しの疑問を抱えたまま、台湾初日の夜は更けていきました。
活気みなぎる市場へ潜入!

翌朝、レストランや食堂がオープンする前の時間を狙って、私たちは地元の生活が息づく市場へと向かいました。探している味わいのヒントが、食材そのものに隠されているかもしれないと考えたからです。
市場は朝からものすごい活気! 肉や魚、お惣菜から日用品までが所狭しと並んでいます。見慣れた野菜を発見して親近感を覚える一方で、お肉屋さんには生の塊肉が豪快に吊るされており、海外ならではのダイナミックな光景に思わずドキドキしてしまいます。 言葉は通じなくても、すれ違う台湾の方々はみんな笑顔で気さくに接してくれて、人の温かさに心が解きほぐされる時間でもありました。
限界突破の「食べまくり調査」で見つけた光景

市場視察を終えたあとは、いよいよ本格的な「食べ歩き」のスタートです。ローカルな大衆食堂から行列の絶えない有名店まで、とにかくひたすらルーロー飯を食べ、食べ、食べ尽くします。
しかし、どれだけ美味しくても、ハシゴを続けるうちに私たちのお腹はピンチ…。連日の「甘み」と「豚肉の脂」の波に、チームの胃袋は完全にノックアウト寸前でした。
そんな限界の状態で出会ったのが、ある一杯のルーロー飯でした。
口に運んだ瞬間、驚きました。しっかりとした甘みがあるのに、後味が驚くほどすっきりしているのです。 甘さのなかに、心地よい「キレ」がある。このキレがあるおかげで、豚肉の濃厚な脂っぽさがきれいに中和され、お肉本来の旨みがまっすぐに伝わってきます。「これだ…!」と、チーム全員の目が輝いた瞬間でした。
帰国後の大研究。秘密は「焦がし砂糖の風味」にあり!

日本に戻った開発チームは、あの「キレと深み」を再現するため、何十回もの試作を繰り返しました。そしてついに、味わいの核心へとたどり着きます。
すっきりとしたキレを生み出していた正体。それは、「焦がし砂糖の風味」でした。
ただ甘くするのではなく、焦がし砂糖の風味をいかすことで味全体を引き締め、豚肉の旨みを最大限に引き立てる名脇役的な存在になっています。
さらに、台湾料理の要である混合スパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」の使い方も徹底的にこだわりました。お肉のクセを抑えつつ、甘辛い味付けに奥深い奥行きを持たせる、ベストな配合を導き出しました。
――現地での感動から、約1年2カ月。 試行錯誤を重ね、私たちが自信を持って送り出す新しい「ルーロー飯」がついに完成しました!
本場のダイナミックな味わいを忠実に再現しながらも、日本人が一口食べて「しみじみと美味しい」と感じられる絶妙なバランスに仕上がっています。 私たちが台湾の風に吹かれ、お腹を痛めながら(笑)見つけ出した渾身の味わいを、ぜひご家庭でお楽しみください!
私たちの美味しいものを探す旅は、まだまだ続きます。
次回の開発記もお楽しみに!それでは、また!
追伸。
実は現地であまりにも美味しすぎて、本命の「ルーロー飯」と同じくらい、出来立ての台湾名物の「サツマイモボール」を食べていたことはここだけの秘密です(笑)。
