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カレーとコーヒーと港町のこと

ニシキヤキッチンではカレーやパスタソースなどの商品の他にオリジナルのドリップコーヒーを販売しています。その名も「カレーの後に飲むコーヒー」。このコーヒーは宮城県気仙沼にあるアンカーコーヒーさんと一緒に作ったドリップコーヒーなんです。今回は編集部がアンカーコーヒーさんにお邪魔して、コーヒーのこと、港町のこと、カレーのことをお聞きして来ました。

ニシキヤキッチンで販売しているドリップコーヒー「カレーの後に飲むコーヒー」は宮城県気仙沼市で自家焙煎の珈琲豆も販売しているコーヒーショップ、アンカーコーヒーさんで作っていただいています。使用している豆は生産国の地方や農園にまでこだわり、徹底して焙煎温度管理されたオリジナルブレンドは世界中でもここでしか味わえないコーヒー豆です。

震災を乗り越え、東北の港から豊かなコーヒーライフを提供しているアンカーコーヒーさんを訪ねたのはキッチン編集部とニシキヤキッチンスタッフの菅野さん。ボランティアで『SENDAICOFFEE Fes.』に参加するほど大のコーヒー好きの菅野さんがアンカーコーヒー代表の小野寺靖忠さんにお話を伺いました。

アンカーコーヒーさんについて

アンカーコーヒーマザーポート店

菅野:今日はお忙しいところ、ご協力ありがとうございます!では早速ですが、アンカーコーヒーさんの成り立ちについて教えてください。
小野寺:アンカーコーヒーは2005年に国道45号線沿いにドライブスルー専門のエスプレッソスタンドとしてオープンしました。コンセプトは「長靴から革靴まで、軽トラからベンツまで」。朝7時からオープンし、どんな人からも愛される地元に根差したコーヒーショップを目指しました。
始めたきっかけは、私が学生時代をアメリカで過ごし、ヨーロッパで働いて地元の気仙沼に戻った時にエスプレッソ、カフェラテがない生活に耐え切れず、ないのなら自分で開いてしまおうと、事業をスタートさせました。笑
海外ではコーヒーが文化として根付いていて、勉強するのも、遊ぶのも、デートするのも、いつでもコーヒーショップが身近にありました。なので、うちはコーヒーというより、より良いコーヒーがあるライフスタイルを提供しているお店と思っています。

港町気仙沼。震災について

アンカーコーヒー内湾店から見える風景。目の前に遊覧船乗り場がある。

菅野:アンカーコーヒーさんも震災の被害を受けられたのでしょうか。
小野寺:受けました。震災当日、気仙沼魚市場の近くで、コーヒー焙煎工房も併設していた「アンカーコーヒープレミアム店」(当時)でちょうど、サンドウィッチマンさんのTVの取材を受けていました。2人は番組スタッフと一緒に、すぐに近くの安波山(あんばさん)に避難したそうですが、残念ながら私たちの店舗は津波で流されてしまいました。
実は私は当日、輸出入の仕事でイタリア・ローマに移動中で、発生時は飛行機の中。現地到着後に気仙沼の大惨事を知り、言葉を失いましたが、家族や店舗スタッフに人的被害がなかったことがせめてもの幸いでした。
菅野:震災後も気仙沼で事業を続けられたのはなぜですか?
小野寺:自宅と店舗も流されましたが、生まれ育ち、仕事をさせてもらっていた気仙沼から出ていくという気持ちは一度も抱きませんでした。津波で滅茶苦茶になった街を見て絶望的な気持ちになったものの、次の瞬間には「さてどうしよう」とこのままでは終わらないという気持ちになっていました。
できるだけ気仙沼の中が楽しくなるように、地域の皆さんの生活が少しでも華やかなものになるように、そういう店作りをすることに使命感を感じました。
復興もまだまだこれからですが、気仙沼というユニークなコミュニティをもっと知っていただきたいですね。

カレーの後に飲むコーヒーについて

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菅野:元々は弊社のスタッフと仙台のカレーイベントで知り合ったことがきっかけだったと伺いました。
小野寺:そうですね。イベントをきっかけにオリジナルのブレンドの話が盛り上がり実現しました。
菅野:こだわったのはどういった部分ですか?
小野寺:オリジナルのブレンドを作る時、何に照準を合わせるかでコーヒーは様々な表現ができます。チョコレートやクッキーに標準を合わせたコーヒーというのはイメージしやすいと思います。「カレーの後に飲むコーヒー」はもちろん、カレーに照準を合わせているところがポイントですね。笑
カレーを食べた後はスパイスの刺激が舌に残りますから、その後に飲むコーヒーも苦味・香りが負けないようにパンチのあるものが合うと思います。
豆の産地にもこだわり、あえてインド産の豆をブレンドしています。インド産の豆はスパイスを思わせるような独特の苦みが特徴で、酸味はほとんどなく、力強いコクのある味わいになります。湿度のとても高い、インドの季節風(モンスーン)を利用して精製されている、代替できないコーヒー豆です。
菅野:確かに、カレーを食べた後にも、しっかりコーヒーの味を感じますね!開発中に苦労した点などありますか?
小野寺:インド産以外に、3種類の豆を使っていて、インド産の豆の持ち味が最大限引き出されるように、しっかり深煎りしています。そのほかの豆はインドの強い苦みをマイルドに和らげ、バランスを整えるように、深煎りながらも焙煎度合をやや抑えてブレンドしています。
最終的にニシキヤキッチンのスタッフの方に店舗に来ていただいて、カレーのプロの目線からもカッピングして味を調整し完成しました。
菅野:コーヒーとカレーのプロが作ったコーヒーなんですね!そう考えると、改めて面白い商品ですね。笑

今後のこと

菅野:最後に今後の目標を教えてください。
小野寺:気仙沼というユニークなコミュニティをもっと知っていただきたいですね。それはアンカーコーヒーを通してでもいいし、そうでなくてもいい。気仙沼の魅力ある人だったり、物を知っていただくことで気仙沼が輝くし、そんな橋渡しや、できる範囲のサポートを続けていけば自然と気仙沼の魅力は伝わっていくのかと思います。今後もそんな想いでおいしいコーヒーを気仙沼から全国へお届けしていきます。

お話を伺って

コーヒー好きとして一度は行ってみたかった焙煎所にお邪魔できて、とても貴重な体験をさせていただきありがとうございました!
なんだかコーヒーの話をしてたらカレーが食べたくなってきました…あれ?「カレーの後に飲むコーヒーの後に食べたいカレー」を作ったら無限ループ完成!?今後ともよろしくお願いいたします!