世界各地には、現地の食文化のなかで生まれた、魅力的なスープが多数存在しています。こうしたスープのなかでも、世界的に高い知名度を誇るものが「世界三大スープ」です。
ところが、“三大スープ”と呼ばれるスープには、なんと4種類含まれているのです……!
一体なぜ3種類ではなく、4種類なのでしょうか。また、どんなスープが代表として選ばれたのでしょうか。
今回は「世界三大スープ」について解説します。それぞれのスープの特長や味わいをチェックしてみましょう。
目次
「世界三大スープ」とは?
世界各地で食べられているスープ料理のなかでも、特に広く人に知られているのが「世界三大スープ」です。
国内にも味噌汁をはじめとしたスープ文化があり、多くの家庭で日常的に食べられています。
世界三大スープと呼ばれているのは、タイの「トムヤムクン」、中国の「フカヒレスープ」、フランスの「ブイヤベース」、ウクライナの「ボルシチ」の4種類です。どのスープも発祥の国が異なれば、素材や味わいなども異なります。
そんな世界三大スープは、なぜ“三大スープ”なのに4種類あるのでしょうか。実は、世界三大スープの選定には、厳密な決まりがありません。また、考案者にも諸説があり、はっきりとしていない状況です。
「世界三大建築」や「世界三大夜景」のように、世界的に知名度の高いものは、一般的に3つ取り上げられる傾向にあります。
しかし、スープの分野では4つの有名なスープが存在したことから、3種類ではなく4種類とされているのです。
以降では、世界三大スープのトムヤムクン・フカヒレスープ・ブイヤベース・ボルシチについて、それぞれ解説していきます。
世界を代表するスープを通して、各国の食文化に触れてみましょう。
【世界三大スープ】タイの「トムヤムクン」
「トムヤムクン」は、タイが発祥のスープ料理です。ハーブやスパイスによる独特の風味があり、酸味と辛みのバランスが取れた味わいが特長。具材にはえびが入っていて、ご飯と合わせて食べられることもあります。
スープの名称は、煮るを意味する「トム」、混ぜるを意味する「ヤム」、えびを意味する「クン」から成っています。
タイのスープには、ほかにもさっぱりとした「トムヤムナムサイ」、クリーミーな「トムヤムナムコン」などの種類があります。
トムヤムクンの独特の風味は、タイ料理でよく使われるハーブやスパイスによって生まれます。
代表的なハーブとして挙げられるのは、香りの強い「バイマックルー(こぶみかんの葉)」、レモンに似た香りを放つ「レモングラス」、刺激的な香りの「カー(ガランガル)」などです。また、スープの酸味は柑橘類の果汁、辛みは唐辛子によってつけられます。
トムヤムクンのレシピでは、魚を発酵させた「ナンプラー(魚醤)」や、えびを発酵させた「カピ(蝦醤)」などの調味料で味付けをして、旨みを加えます。これにより、魚介類の旨みが溶け込んだスープに仕上がります。
主な具材はえびのほか、「ふくろたけ」や「たけのこ」などです。ふくろたけとは、タイ料理や中華料理でよく使われる、かさが袋のような状態になったきのこのこと。スープをお皿に盛ったら、仕上げにパクチーの葉を散らすのがポイントです。
【世界三大スープ】中国の「フカヒレスープ」
「フカヒレスープ」は、中国が発祥のスープ料理です。中華料理の高級食材として名高い、フカヒレを使用した贅沢なメニューとなっています。
フカヒレは繊維状の食材で、独特の食感があります。「ツバメの巣」や「干しアワビ」などの食材と並び、三大珍味と呼ばれます。ただし、フカヒレそのものにはほとんど味がないため、スープを染み込ませて味わうのが一般的です。
そもそもフカヒレとは、サメのヒレ部分(尾ビレ・背ビレ・胸ビレなど)を天日乾燥させたものです。フカヒレが取れるサメの種類として、ジンベイザメ・ヨシキリザメ・モウカザメ・アオザメなどが挙げられます。ヒレの状態を保った姿煮のほか、ほぐした状態で料理に使われることも珍しくありません。
そんなフカヒレが高級食材である理由は、希少価値の高さにあります。フカヒレとなる部位は、サメ1匹の本体のうち、たった1%前後しかありません。また、サメからフカヒレを取るには皮や骨を取り除く必要があり、時間と手間のかかる作業が発生します。こうした事情から、フカヒレは希少価値の高い食材となっています。
【世界三大スープ】フランスの「ブイヤベース」
「ブイヤベース」は、地中海沿岸部で作られる魚介類のスープです。南フランスのプロヴァンス地方が発祥で、新鮮な魚や貝などをたっぷりと使用して、大きな鍋で煮込んで調理します。
現代におけるブイヤベースはおもてなしの料理として知られていますが、最初は地元の漁師たちが安価な食材で作ったスープ料理から始まったともいわれています。当時の家庭料理で使われていたのは、小さい魚や売れ残った魚などです。世界的なスープ料理となった今では、甲殻類や貝類を使った華やかなレシピもあります。
ブイヤベースで使われる魚介類は、魚の「アンコウ」「カサゴ」「ホウボウ」、甲殻類の「えび」「かに」、貝類の「ムール貝」など複数種類です。このほかにも多様な魚介類が使われますが、レシピによっては特定の魚を使うよう種類や数が細かく指定されていることもあります。
ブイヤベースのスープは、トマトベースににんにくの風味を加え、「サフラン」や「ローレル」などのハーブで香り付けされているのが特長です。食べるときは、具材とスープをそれぞれ別の器に盛り、フランスパンの「バゲット」と合わせることもあります。
【世界三大スープ】ウクライナの「ボルシチ」
「ボルシチ」は、主に野菜のビーツを使用して作られる、鮮やかな赤色をした優しい味わいのスープです。ウクライナ発祥の伝統料理であり、ロシアや東欧諸国で広く食べられています。
ボルシチのレシピにおいてもっとも重要なビーツは、赤色をした根菜です。砂糖の原料となる甜菜(てんさい)の仲間であり、ほんのりと甘みがあるのが特長です。ボルシチの個性ともいえる鮮やかな赤い色合いは、ビーツによって生まれています。
なお、ビーツ以外のボルシチの具材には特に決まりがなく、使用する食材は地域ごとに異なります。なかでも代表的な野菜は、たまねぎ・にんじん・キャベツなどです。
お肉を入れる場合には、牛肉・羊肉・豚肉のほか、ベーコンやソーセージなどが使われることもあるようです。具材は大きめにカットされ、旨みのあるブイヨンでじっくりと煮込まれます。
ボルシチを器に盛るときは、仕上げにパセリを散らし、サワークリームを加えながら食べるのが一般的です。ほのかに酸味のあるクリームはスープと相性抜群。スープに程よいコクを加えつつも、さっぱりとした食べやすさが魅力です。
NISHIKIYA KITCHENの本格スープ「トムヤムクン」
多彩なレトルトスープを取り扱うNISHIKIYA KITCHENには、本格派スープのラインナップもございます。お家ではなかなか作れない手間暇かかるスープも、レトルトなら温めるだけで簡単に調理できるのが魅力です。「世界三大スープ」の一つであるトムヤムクンを、ぜひご自宅でお楽しみください。
「トムヤムクン」の特長
NISHIKIYA KITCHENのトムヤムクンは、素材にこだわった本格派。茹でたえびに加えて、ゴロッとしたえび団子入りで、魚介の旨みたっぷりの食べごたえのあるスープに仕上がっています。タイ料理でお馴染みのレモングラスやココナッツミルク、爽やかな辛みの赤唐辛子、レモン果汁などを使ったレシピで、酸っぱくて辛い独特の味わいを再現。現地の食卓に欠かせないナンプラーや、こぶみかんの葉・コリアンダーなどのスパイスも使用しました。「世界三大スープ」のなかでもファンが多いタイ料理を、温めるだけでお召し上がりいただけます。
お客様の声
・パウチを開けたら、えびの香りが漂ってきました。辛さがありますが、ハーブの香りや海鮮の旨みがぎゅっと詰まっていて、味わい深いスープですね。 ・タイ料理が食べたくて購入しました。辛さはそこまで強くなくて、食べやすかったです。 |
NISHIKIYA KITCHENのタイ料理シリーズ
NISHIKIYA KITCHENでは「トムヤムクン」のほかにも、タイ料理をお手本にしたレトルト食品をご用意しています。
トムカーガイ
鶏肉をココナッツミルクで煮込んだスープです。まろやかなスープに生姜や青唐辛子のピリッとした辛みがきいています。具材にはヤングコーンやふくろたけが入り、レモングラスやこぶみかんの葉が香る本格派。ぜひ「トムヤムクン」と併せてご賞味ください。
グリーンカレー
代表的なタイカレーを、レトルトで味わえるNISHIKIYA KITCHENの人気商品です。ココナッツミルクの甘みと、青唐辛子の刺激的な辛さが特長。具材には、鶏肉・ふくろたけ・たけのこが入り、カレーペーストやこぶみかんの葉など、本格派の材料を使用しています。
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今回は、“三大スープ”なのに実は4種類存在する、驚きの「世界三大スープ」についてご紹介しました。
世界を代表するスープとして知られるのは、タイの「トムヤムクン」、中国の「フカヒレスープ」、フランスの「ブイヤベース」、ウクライナの「ボルシチ」です。
NISHIKIYA KITCHENでは、世界の料理をお手本にした珍しいレトルトスープをご用意しています。ぜひオンラインショップをご覧ください。