タイのスープ「トムカーガイ」とは?
トムカーガイは、タイではとても人気の高いスープです。トム=煮る、カー=生姜、ガイ=鶏肉という意味をもちます。
トムカーガイにはタイ料理でお馴染みのパクチーやこぶみかんの葉、ナンプラー・ライム・唐辛子などが使われており、ココナッツミルクでまろやかに仕上げます。ココナッツミルクのまろやかさに鶏の旨みとスパイスの香りが感じられ、さっぱり食べやすいのが特長です。
タイのスープといえばトムヤムクンが有名ですが、現地ではトムカーガイの方が好きだという方も珍しくありません。日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、まろやかな味わいで辛みも少ないため、食べやすいスープとして知られています。タイ料理の酸味や辛みが苦手な方にも、ぜひおすすめしたいスープです。
トムカーガイの主な材料
トムカーガイを作る際は、日本の家庭ではあまり馴染みのない、タイ料理ならではの材料も使用します。まずは、トムカーガイを作るにあたって必要になる材料についてご紹介します。
ココナッツミルク
ココナッツミルクは、トムカーガイの味の決め手ともいえる欠かせない材料です。鶏肉の旨みやスパイスの辛みを、ココナッツミルクがまろやかにまとめてくれます。完熟したココナッツの固形胚乳部分を削ぎ、絞ったものがココナッツミルクです。大型のスーパーや海外の食品を取り扱う専門店などで、缶詰や紙パックで売られています。
カー(タイの生姜)
タイの生姜「カー」は、タイ料理に使用されることの多い食材です。英語では「ガランガル」、日本では「ナンキョウ」や「タイ生姜」などと呼ばれています。ピリッとした辛みと、胡椒のようなスパイシーな香りが特長です。日本の生姜に比べると非常に硬いため、カー自体を食べることはほとんどありません。タイの食材を取り扱う専門店などで購入できますが、なければ日本の生姜を使用しましょう。
鶏肉
鶏肉は、トムカーガイの「ガイ」にあたる、欠かせない食材の一つです。しっかり鶏の旨みがスープに溶け込むよう、じっくり柔らかく煮込みます。部位はもも肉や胸肉、手羽先などお好みの部位を使用しましょう。
ナンプラー
ナンプラーは、タイ料理をはじめとしたエスニック料理に欠かせない調味料です。タイの魚醤で、塩漬けにしたカタクチイワシを発酵させて作ります。料理の味とバランスを整えるために、料理の仕上げとして使用します。大型のスーパーや海外の食品を取り扱う店で入手可能です。手に入らない場合は、風味が変わりますが醤油でも代用可能です。
唐辛子
トムカーガイは辛みの少ないスープとして知られていますが、唐辛子も使用されています。本場タイでは「プリック・キーヌー」と呼ばれる小指の先ほどの、小粒の唐辛子を使用します。なければ生、または乾燥唐辛子で代用可能ですが、辛いのが苦手な方やお子様向けに作る場合、唐辛子は入れずに作りましょう。
レモングラス
レモングラスは、イネ科のハーブで、その名の通りレモンのような爽やかな香りが特長です。タイ料理やベトナム料理など、東南アジアの料理に多用されます。トムカーガイを作る際は、より香りが強い茎の部分を使用しますが、手に入らない場合は葉の部分で代用も可能です。繊維質で硬いため、料理に香りが移ったら取り除くこともあります。
こぶみかんの葉
こぶみかんとは、タイやマレーシア原産の表面がこぶだらけの柑橘系の植物です。こぶみかんの葉は爽やかな強い香りが特長で、タイでは「バイマックルー」の名で知られています。タイ料理ではもちろん、東南アジアの料理にも欠かすことのできないハーブの一種です。硬くて煮ても柔らかくならないため、主に風味づけに使用します。生の葉が手に入らないときは、乾燥タイプでも問題ありません。
パクチー
「シャンツァイ」や「コリアンダー」などとも呼ばれる、独特の強い香りが特長のハーブです。葉や茎だけでなく、根の部分も食用として使用するほか、種子もホールのまま、またはパウダー状にしてスパイスとして利用されます。トムカーガイでは、根や葉を仕上げの風味づけとして加えます。
フクロタケ
フクロタケは、タイのスープ料理には欠かせない世界三大栽培キノコの一つです。しかし、日持ちがしないことから生のまま流通させるのが難しいとされており、日本で購入できるフクロタケは、そのほとんどが輸入の水煮商品です。
トムカーガイのレシピ
タイで大人気のスープ、トムカーガイは家庭でもカンタンに作ることができます。ここでは、作りやすい分量でおいしいトムカーガイのレシピをご紹介します。
材料(2人分) |
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・鶏肉(好きな部位)…200g ・フクロタケ…5個 ・トマト…小1個 ・生唐辛子…1~2本 ・パクチー…1株 ・レモングラス(茎)…1本 ・こぶみかんの葉…4枚 ・タイ生姜…1かけ ・ココナッツミルク…400ml ・水…200ml ・ナンプラー…大さじ1.5 ・砂糖…小さじ2 ・ライム果汁またはレモン汁…大さじ1 |
作り方
- 鶏肉とトマトは食べやすい大きさに、フクロタケは半分にカットします。パクチーの根はみじん切りにして、茎と葉は1cm幅に切っておきましょう。レモングラスは3cm幅の斜め切り、タイ生姜は薄切り、こぶみかんの葉は葉脈を取り除いておきます。
- 鍋に鶏肉とパクチーの根、レモングラス、タイ生姜、水を入れて中火にかけます。灰汁をとりながら鶏肉に火を通していきましょう。
- 鶏肉に完全に火が通ったら、こぶみかんの葉、唐辛子、フクロタケを入れて煮込みます。すべての材料に火が通ったら、トマトとココナッツミルクを加えて、ナンプラー、砂糖、ライム果汁で味を調えます。沸騰させないように気をつけながら5分ほど煮込みましょう。
- 器に盛りつけ、お好みでパクチー茎と葉の部分を飾れば完成です。
お家でトムカーガイを作るコツ
トムカーガイをおいしく作るコツは、ココナッツミルク・ライム又はレモン汁を入れた後に沸騰させないことです。沸騰させてしまうと、スープが分離してしまうため、十分に注意しましょう。
唐辛子を抜いたり、酸味を抑えたりすれば、お子様や辛み・酸味が苦手な方でもおいしく食べられます。材料がそろわない場合は、代用品を使って仕上げてみてください。タイ生姜は日本の生姜、フクロタケはしめじやマッシュルーム、ナンプラーは醤油などで代用可能です。
また、手間をかけずに本格的なトムカーガイを楽しみたい場合は、レトルトがおすすめです。
お家でカンタン!NISHIKIYA KITCHENの「トムカーガイ」
“世界のスープを味わおう!”をテーマに作った、NISHIKIYA KITCHENのワールドスープシリーズにあるトムカーガイをご紹介します。エスニックな香りがクセになる、トムカーガイ鍋もおすすめです。
トムカーガイ
タイのトムカーガイをお手本に、さっぱりとコクのあるスープに仕上げました。鶏肉とヤングコーン、フクロタケをたっぷり使用した、食感の違いが楽しめる満足感のあるスープです。鶏肉の旨みとココナッツミルクでまろやかに仕上げたスープに、レモングラスやこぶみかんの爽やかな香り、青唐辛子のピリッとした辛みをきかせました。
トムカーガイ鍋の素
トムカーガイを、エスニックな香りたっぷりの鍋の素にアレンジしました。ココナッツミルクで仕上げたやさしい味わいのスープに、レモングラスの爽やかな香りと青唐辛子のピリッとした辛みがアクセントになっています。お好きな具材を入れて、ぜひおうちでトムカーガイ鍋をお楽しみください。
タイで人気のスープ「トムカーガイ」についてご紹介しました。
トムカーガイは、材料さえそろえば家庭でも本格的な味わいを楽しむことができます。本場の材料が見つからないときは、便利なレトルトもおすすめです!ぜひNISHIKIYA KITCHENのレトルトスープで、本格派のトムカーガイをお家でカンタンにお楽しみください。