日本で大人気のカレーは、インド発祥の料理です。しかし、本場インドのカレーは、国内のカレーとさまざまな違いがあります。
今回は、そんなインドカレーのなかでも、特にインド南部の食文化に注目し、現地のカレーの魅力について解説します。
また、NISHIKIYA KITCHEN開発スタッフが研修で南インドを訪れた際の様子もお見せしますので、ぜひお楽しみください!
目次
南インドカレーとは
「南インドカレー」とは、カレーの本場インドのなかでも、特にインド南部で食べられている料理を指します。南インドとは、アンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州、ゴア州、カルナータカ州、ケララ州、タミル・ナドゥ州などを含む地域です。
南インドカレーは、サラッとしていてスパイシーなのが特長です。スープ状で、味わいはあっさりとしている傾向にあります。南インドカレーを代表する具材としては、野菜や豆類などが挙げられます。スパイスの「カレーリーフ」や「マスタードシード」、「ココナッツミルク」などの食材を使う点も特長です。
また、地域にもよりますが、南インドでは米が主食です。日本でもカレーをご飯と合わせて食べますが、本場インドでは米の種類が異なります。現地で主に食べられているのは「バスマティーライス(インディカ米)」と呼ばれる細長くてさらさらとした品種です。粘り気の少ないご飯にカレーをかけて食べるのが一般的です。
インドカレーには東西南北で違いがある!
広大な国土面積を誇るインド。
郷土料理としてカレーが有名ですが、実は国の東西南北でカレーの特長に大きな違いがあります。
北インドのカレーには、バターやギーといった油脂が使われ、濃厚さが特長です。
主食はナン・チャパティ・ロティなど。代表的なメニューとして、甘めの「バターチキンカレー」や、タンドール窯で焼いた「タンドリーチキン」が挙げられます。
東インドでは、フィッシュカレーが有名です。
主食は米で、カレーにはマスタードオイルや魚などの材料が使われます。こうしたインド東部を含むベンガル地方の料理は、「ベンガル料理」とも呼ばれます。
西インドは宗教上の理由から菜食の方が多く、野菜や豆を使用したカレーが主流となっています。
主食はチャパティや米など。多様な宗派の人が暮らすインドでは、カレーをはじめとした食文化にもその影響が見られます。
南インドカレーの代表的な材料
ここでは、南インドカレーのレシピに欠かせない、代表的な材料をご紹介します。
なかには日本のお店ではあまり見かけない、少し珍しい食材も。それぞれの味わいや香りの特長をチェックしてみましょう。
カレーリーフ
ミカン科の「カレーリーフ」という植物の葉を使うスパイスです。
香ばしくてスパイシーな柑橘系の香りが特長で、原産地はインドやスリランカなど。南インド料理に欠かせない重要なスパイスの一つで、カレーの風味づけに用いられています。
現在、日本で流通しているカレーリーフのほとんどは、乾燥した状態でインドなどから輸入したものです。しかし、乾燥させた葉は生の状態と比べて香りが弱くなるのが難点。本場のレシピに近づけるには、フレッシュなスパイスが求められます。
そこでNISHIKIYA KITCHENでは、南インドカレーに欠かせないカレーリーフを、国内で調達する体制を整えました。蔵王の農家さんと契約栽培することで、フレッシュな生のスパイスを入手。材料にこだわり南インドの味を再現しています。
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マスタードシード
乾燥させた「カラシナ」の種子を使うスパイスです。
この種子をすり潰すと、からしやマスタードとなります。南インド料理においては、ホールの状態で炒めることにより、スパイスの香りを引き出す調理法が代表的です。マスタードシードの香りが移った油でカレーの具材を炒めて、風味づけを行います。
フェンネル
和名で「ウイキョウ」と呼ばれる植物の種子を使うスパイスです。
種子のほか、葉や茎がハーブとして用いられ、幅広い料理で活躍します。カレーに使われる種子の部分は、独特の甘くスパイシーな香りが特長です。
なお、インドカレー店でレジ付近に置かれるカラフルな粒はシュガーコーティングされたフェンネルで、食事後のお口のリフレッシュに食べられています。
ココナッツミルク
ココナッツミルクは、「ココヤシ」の実の内側にある固形胚乳から作られる食材です。
ほんのりと甘い香りのする乳状の液体で、東南アジアではカレーをはじめとした料理で広く用いられています。
南インドカレーのほかに、タイカレーの代表的な材料としても知られています。
タマリンド
マメ科の植物「タマリンド」の果実です。
酸味があるのが特長で、インドやタイではフルーツとしてそのまま食べられることもあります。
カレーにとろみが加わるのもポイントです。現地では、調理に使いやすいペースト状のタマリンドも市販されています。
南インドのミールスの魅力
南インドの食事には、「ミールス」と呼ばれる定食のようなスタイルがあります。
お米・カレー・副菜などの料理がそれぞれ小さな器に盛られ、大きなお皿に複数載せられているのが特長です。これらを混ぜながら食べることによって、味のバランスがとれるようになっています。ミールスの代表的なメニューは、以下の通りです。
・ラッサム(トマトベースのスープ)
・サンバル(豆と野菜のカレー)
・ダル(豆のカレー)
・ヨーグルト
・アチャール(たまねぎなどの漬物)
・パパド(豆を使ったせんべい)
ミールスをいただくときは、小さな器をすべて取り出してから、大きなお皿の上で混ぜながら食べましょう。
国内にもミールスを提供するお店があるため、南インドならではの食べ方を体感してみてはいかがでしょうか。
【おまけ】NISHIKIYA KITCHENスタッフの南インド旅行記
本場インドを思わせる本格派の味づくりで、常にレトルトカレーづくりへの挑戦を続けているNISHIKIYA KITCHEN。「インドカレーシリーズ」をはじめとした商品開発に携わるスタッフは、インドを訪問する研修で、本場の味を勉強しています。ここでは、そんな開発スタッフの南インド旅行記をご紹介します。
NISHIKIYA KITCHENの開発チームは、2010年~2019年にかけて、毎年カレーの本場インドへ足を運んできました。現地でカレーづくりの経験と知識を身につけ、今後の商品開発に生かすためです。
レトルトで本場インドの味を再現する「インドカレーシリーズ」の企画が始まったのは、“日本で一番おいしいカレーを作りたい”という強い想いから。いざ飛行機へ乗って、カレーのルーツであるインドへと旅立ちます。
インド研修では、現地のレストランを巡ったり、一般家庭へお邪魔したり、料理教室に参加したりしながら、インドの味を徹底的に研究します。
南インドは海に囲まれている地域のため、魚介類を使った料理が多くあります。現地の料理はやはりおいしいのですが、実際に作り方を教わってみると、調理時間が短いことに気づきました。
また、魚や肉の前処理はしっかりと行いますが、「アクはエキスだ!」と言って、すくい取ることはしません。とても理にかなっていると感じました。
道中では、開発スタッフが思わず心を打たれるほどおいしいカレーとの出会いが多くあります。本場インドには味づくりやレシピのアイデアが豊富で、何度足を運んでも学ぶことが尽きません。
インド料理は、素材・スパイス・塩というシンプルな材料のみで仕上げます。
なかには、日本では見たことのない配合のスパイスミックスが使われる場面も。現地の味づくりを知るほど、余計なものを使わない、基本の素材の大切さを実感します。
インド人にとって、スパイスは「薬」です。たとえば、体のどこかがおかしいと感じたら、求める効能に合わせてスパイスを使います。地域の市場では、数え切れないほど多くのスパイスが売られています。スパイスが人々の生活の身近にあるのですね。
インド料理はスパイシーで胃もたれしません。だからこそ、いくらでも食べられる。現地の食文化を知れば知るほど、日本でこれほど多くの人がインド料理にハマる理由がわかるような気がします。
開発スタッフが日本へ戻ってからは、インドで学んだ調理法をレトルトカレーで再現するために、試行錯誤の日々が始まります。
奥が深いインド料理。今後もインド料理を少しずつ極めて、あらゆるカレーに挑戦していきたいと思っています。世の中が落ち着いた頃に、またインドへ行きたいです。
本格派!NISHIKIYA KITCHENのインドカレーシリーズ
南インドで学んだ開発スタッフがおすすめする、NISHIKIYA KITCHENインドカレーシリーズの6商品をご紹介します。本場インドのカレーを再現した本格派レトルトカレーを、ぜひご自宅でお楽しみください。
ケララフィッシュ
南インド料理に欠かせないマスタードシード・フェンネル・タマリンドなどのスパイスを使用した、本格派のフィッシュカレーです。現地の調理法にしたがって、スパイスは最初にオイルで炒めて、香りを引き出しています。さらには新鮮なカレーリーフにこだわり、NISHIKIYA KITCHENが国内の農家と契約栽培した「蔵王産のカレーリーフ」を使用。本場インドを思わせる、香り豊かなカレーソースが特長です。キハダマグロを使っているので、日本のご飯とも相性が良く、おいしくお召し上がりいただけます。
お客様の声
・ちょうどいい異国風。エスニック料理が好きな人も、普通のカレーを食べている人も、両方が満足できるカレーだと思いました。こんな風にバランスをとれるものなのですね!
・ココナッツ強めで食べやすい辛さかと思いきや、後からじわじわと辛みが強くなってきます。いろんなスパイスが入ってるのを感じてうれしくなりました。
・このケララフィッシュは本場の味がします!インドに行けない今、これを食べてケララに思いを馳せています。
ココナッツチキン
クリーミーなココナッツミルクをベースに使用した、南インド風のチキンカレーです。ココナッツミルクのマイルドな甘みの後から追いかけるように、スパイスの辛みをしっかりと感じられるのがポイント。NISHIKIYA KITCHENが本場インドのスパイス使いをレトルトで再現しました。ソースには、国産のフレッシュなカレーリーフを使用しています。多彩なスパイスによる複雑な香りをじっくりとお楽しみください。
お客様の声
・ココナッツのコクがとっても濃厚で、口に入れるとクリーミーな印象! スパイスは爽やかな辛みと香りです。最後まで飽きずにいただけます。
・ピリッと辛い本格派のカレーです。化学調味料・着色料・香料不使用で体にもやさしいです。ココナッツチキンと混ぜてもおいしい!
・ココナッツの旨みが絶妙。ご飯にもナンにも合います。チキンも柔らかくてとてもおいしいです。
ベイガンティルマサラ
黒ごまをたっぷりと使って香ばしいソースに仕上げた、南インド風の野菜カレーです。ココナッツはローストして、食感のアクセントに加えています。南インドカレーの基本を押さえた、カレーリーフやフェンネルなどのスパイス使いにも注目です。具材のなすはグリルで焼き上げることによって、香ばしさをアップ。程よい辛さで、インパクトのある味わいです。野菜たっぷりでご飯が進む、他にはない珍しいカレーとなっています。
お客様の声
・本格的でものすごくおいしい。これは大変気に入りました。レトルトにしてしまうのもすごいけれど、再現力が半端ないですね。
・香りが良くおいしかったです。ナンでいただきました。白ワインと良いマリアージュでした。リピート決定!
・食べたことのない味でしたが、非常に好みでした!黒ごまが味に深みを出していて、ヤミツキになる味。
コザンブ
インド料理のなかでは野菜の煮物に位置づけられる「コザンブ」を、NISHIKIYA KITCHENがレトルトカレーに仕上げました。具材はレンコン・ヤングコーン・グリンピースの3種類。シャキシャキとした存在感のある野菜を使うことで、食べごたえのある仕上がりになっています。タマリンドの酸味が効いたココナッツミルクベースのソースは、南インドの味づくりをお手本に作り上げた本格派。ミールスのように盛り付けするのもおすすめです。
お客様の声
・しっかりおいしいです。海外の味わいがこのお値段で食べられるのはすごい。
・タマリンドの酸味が感じられます。レンコンとヤングコーンの食感がとてもいい。南インドのカレーの味です。
・ゴロっと大きいレンコンやヤングコーンが、まろやかなカレーにマッチしています。後からくるスパイス感が、大人な味わいです。
キーママタル
「キーママタル」とは、ひき肉とグリンピースを使ったカレーのことです。南インドを含む幅広い地域で食べられているカレーを、NISHIKIYA KITCHENがレトルトで再現しました。現地に近い風味をぜひ体感してみてください。ココナッツミルクとトマトで仕上げたソースは、甘みと酸味のバランスが絶妙です。インド料理ならではのスパイスを使いながらも、日本のご飯にもきちんと合うように、国産の鶏ひき肉をたっぷりと使いました。
お客様の声
・香り高くておいしいです。キレのあるスパイス感で好みの味でした。爽やかな甘酸っぱさの中にほんの少しシナモンのような味があるところも好きです。
・香りがいい。食欲がわきます。
・キーマカレーが好きなので購入しました。おいしいです。
ポークビンダル
南インドのゴア州で古くから食べられている「ポークビンダル」は、インドとヨーロッパの食文化が融合して生まれたカレーです。NISHIKIYA KITCHENのポークビンダルでは、豚肉をスパイスでマリネし、オーブンで焼き上げています。具材にも手間暇かけた逸品です。ソースは、辛さに違いのある2種類の唐辛子をブレンドして、深みのある味わいに仕上げています。酸味と辛味のバランスのとれた味づくりをお楽しみください。
お客様の声
・とてもおいしかったです。酸味はちょうどいいし、お肉も食べごたえがありました。辛さも適切で、ソースの量も十分です。またリピートします。
・酸っぱくて、ピリッと辛くておいしかったです。
・インドの友達が味見をして、「地元の味がする」と言っていました。
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サラッとしてスパイシーな南インドカレーの魅力をご紹介しました。
NISHIKIYA KITCHEN開発スタッフ一同も強く惹かれた、本場インドの食文化。
日本にいながら本格派のカレーを求めるファンの方は、現地の味を再現したインドカレーシリーズの商品をぜひご賞味ください。
NISHIKIYA KITCHENのレトルトカレーなら、インドの味をご自宅で簡単にお召し上がりいただけます。