カレーはさまざまなスパイスを組み合わせて作られています。日本の家庭では、カレーといえばカレールウやカレー粉から作るのが一般的です。そのため、カレーをスパイスから作ると聞くと、「難しそう」というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。しかし、カレーに使われるスパイスの基本さえ押さえれば、自宅で簡単に本格的なカレーを作ることができます。
今回のよみものでは、カレー作りに欠かせない基本のスパイスや、ニシキヤキッチン開発担当が教える「カレーベースのレシピ」などをご紹介します。
ぜひご自宅で本格的なカレーを味わってみてください。
目次
カレーの決め手はやっぱりスパイス!
カレー独特の香りは、数種類のスパイスを組み合わせることで生まれます。家庭でカレーを作る際に使用する市販のカレールウやカレー粉も、実はスパイスから作られているのはご存知でしょうか。
ルウとは、バターと小麦粉を火にかけながら混ぜ合わせたものを指します。
日本でカレーが庶民の味として親しまれ始めた当初は、小麦粉を炒めてからカレー粉を加えて作られていました。その手間を省くために開発されたのが、カレー粉とルウを合わせてある「カレールウ」なのです。煮込んだ具材に溶かすだけという手軽さが受け入れられ、カレーは瞬く間に家庭の定番料理となりました。
カレーの本場インドでは、家庭・レストランごとに複数のスパイスを配合しながら調理しています。カレールウはもちろん、カレー粉も使われていません。難しそうというイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、基本のスパイスさえそろえれば、誰でもカレールウやカレー粉を使わずに本格的なスパイスカレーが作れます。
次は、カレー作りに欠かせない基本のスパイスや、基本となるカレーベース、ガラムマサラのレシピを紹介します。
ぜひ、ご家庭で試してみてください。
カレー作りで押さえておきたい5種類のスパイス
スパイスは種類ごとに香りや味わいが異なり、それを組み合わせて分量を調整することで、お好みのバランスを作ることができます。
ここでは、スパイスからカレーを作るにあたり、これだけは押さえておきたい基本のスパイスをご紹介します。
クミン
カレー作りに欠かせないスパイスのひとつであるクミンは、独特のスパイシーな香りと程よい苦みが特長です。セリ科クミン属の一年生草本で、日本ではウマゼリと呼ばれています。スパイスとして使われるのは種子の部分で、種子そのままの状態でクミンシードとして、または粉末状に挽いてクミンパウダーとして使用します。炒ることでより香りを引き出すことができます。
コリアンダー
コリアンダーは、まろやかな甘みと、柑橘系の爽やかな香り、ほんのりとした辛みが特長です。セリ科の一年生草本で、葉の部分はクセのある強い香りでおなじみの香菜(パクチー)と呼ばれています。スパイスとしてのコリアンダーはその種子の部分ですが、葉の部分とは異なり、クセの少ない風味で使い勝手が良いスパイスです。甘みがあるため、クッキーや焼リンゴなどの菓子類にも使用されます。
ターメリック
ターメリックは、カレーをはじめ、黄色い色づけに使われることの多いスパイスです。日本では、ウコンという呼び名で広く知られています。土のような独特の香りと、ほろ苦さを感じる風味が特長です。ターメリックはショウガ科の多年草で、しょうがのように地下茎の部分を使用します。料理を黄色く着色する目的で使われることが多く、カレーに添えるご飯を炊くときに加えて、黄色い「ターメリックライス」として提供されることもあります。
カルダモン
カルダモンは、清涼感のある香り高い芳香と程よい辛み、ほろ苦い味わいが特長です。ショウガ科の多年草で、実がまだ青いうちから収穫して乾燥させてから使用します。さやごと使用することもありますが、なかのゴマ粒大の種子を取り出して粉末状にして使用するのが一般的です。高価なスパイスとしても知られていますが、少量でも香りが強いため使い過ぎには注意が必要です。
シナモン
シナモンは、甘い独特の香りが特長の、世界最古のスパイスの一種とされています。クスノキ科ニッケイ属の樹皮をはぎ取り乾燥させて、そのままスティックとして、または粉末状にしてさまざまな料理に使われます。アップルパイやクッキーなどの菓子類に使用されることの多いシナモンは、独特な香りがアクセントになるため、カレーにも欠かせないスパイスです。
カレー作りで重要な「カレーベース」や「ガラムマサラ」とは?
小麦粉でとろみをつけるカレーとは異なり、スパイスカレーは野菜を炒め煮込むことで自然なとろみがつくのが特長です。
スパイスカレーのとろみのもととなる、カレーベースやガラムマサラについてご紹介します。
カレーベースとは
カレーベースとは、カレーのもとになるペースト状のものを指します。
主に玉ねぎ・トマト・にんにく・しょうがなどの野菜と、スパイスから作られます。細かく切った材料とスパイスを油で炒めて混ぜ合わせ、水分を飛ばしてペースト状にしましょう。冷凍しておけば保存期間も延び、いつでも思い立ったときにカレー作りができて便利です。
ガラムマサラとは
ガラムマサラとは、インドで使用されている混合スパイスのことです。
ガラムマサラはさまざまな料理の風味づけとして使用されますが、カレーの仕上げにも欠かせません。どんなスパイスをどれだけ使用するかなど、材料や配分に決まりがなく、家庭やレストランによってそれぞれ独自の配合があります。一般的には、ブラックペッパー、クミン、コリアンダー、カルダモン、シナモンなどをはじめ、3~10種類のスパイスを配合して作られます。
プロ直伝!お家で作れるカレーベースとガラムマサラのレシピ
北インドカレーベースと、ガラムマサラの基本のレシピをご紹介します。
カレーベースにお好みの具材を加えて、ぜひご家庭で香り高いスパイスカレーを作ってみてください。
北インドカレーベース
材料(2人分) |
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・サラダ油…大さじ3 ※レッドペッパーは、辛いのが苦手な方は入れなくても大丈夫です。 |
作り方
【1】鍋にサラダ油を注ぎ、玉ねぎスライスをアメ色になるまで炒めます。はじめのうちは玉ねぎの水分を飛ばすために強火で、茶色く色づいてきたら弱火にして焦がさないように注意しながら炒めましょう。
【2】玉ねぎがアメ色になったら、おろしにんにくとおろししょうがを加え、弱火で炒めて香りを出します。
【3】トマトピューレーとヨーグルトを入れ、弱火のまましっかり混合しましょう。
【4】5種類のパウダースパイスと調整水を入れ、弱火でよく混ぜ合わせます。
【5】カシューナッツペースト、生クリームを加え、一度沸騰させましょう。沸騰したら弱火に戻し、とろみが出るまで煮詰めていきます。
【6】とろみが出てきたらガラムマサラと塩を加え、味を整えたら完成です。
ガラムマサラ
材料 |
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・クミンパウダー…大さじ2 ・コリアンダーパウダー…大さじ2 ・カルダモンパウダー…小さじ1/2 ・シナモンパウダー…小さじ1 ・クローブパウダー…小さじ1/2 ・ブラックペッパー…小さじ1/4 |
作り方
すべての材料をよく混ぜ合わせれば完成です!
ガラムマサラは香りが命なので、使用直前に使用する分だけ作ることをおすすめします。
スパイスにこだわったNISHIKIYA KITCHENの本格レトルトカレー
NISHIKIYA KITCHENでは、本場で学んだスパイスの知識をもとに、本格的なインドカレーを作っています。
スパイスにこだわって作られたインドカレーシリーズから、スパイスが際立つカレーを4種類ご紹介します。
■北インドカレー
バターチキンカレー
マイルドな辛みとクリーミーさが特長の、インドカレー初心者にもおすすめできるカレーです。辛さは小辛と控えめですが、スパイスの香りはしっかり感じられます。ギー(バターオイル)で炒めたカシューナッツペーストや北海道産生クリームの濃厚さに、さっぱりとしたトマトの酸味が魅力です。
スパイシーバターチキンカレー
ニシキヤキッチンの3種のバターチキンカレーの1つ。インドのローカルなお店や、食堂の味わいをお手本にしました。トマトの酸味を生かしたすっきりとしたソースで、スパイシーさを引き立てました。
■南インドカレー
南インドのクリーミーフィッシュカレー
南インドの料理教室で学んだクリーミーフィッシュカレーを再現しました。キハダマグロの旨みとココナッツミルクのクリーミーな味わいに、タマリンドの程よい酸味がきいたフィッシュカレーです。南インドカレーには欠かせない、カレーリーフの爽やかな香りが特長のカレーです。
※リニューアル前は「ケララフィッシュ」として販売していました。
南インドのシュリンプカレー
南インドの料理教室で学んだ味わいをお手本に、ごはんに合う味わいにブラッシュアップしました。エビの旨みとココナッツミルクの濃厚な味わいに、カレーリーフが爽やかに香るシュリンプカレーです。ココナッツミルクがきいた濃厚な味わいですが、重すぎずスパイスの香りもしっかりと感じていただけるように仕上げました。
カレーに使われているスパイスの基礎知識や、自宅で簡単に作れるカレーベースとガラムマサラのレシピなどをご紹介しました。スパイスから作るカレーは、基本さえ押さえれば自宅でも簡単に作ることができます。基本のカレーベースを試したあとは、別のスパイスを加えるなどアレンジして、お好みの味を探してみてください。
ご自宅でお手軽にスパイスを生かしたカレーを食べたいときは、NISHIKIYA KITCHENの本格インドカレーシリーズがおすすめです。本場インドで学んだスパイシーなカレーが、温めるだけですぐに食べられます。スパイスが際立つ自慢の味を、ぜひお試しください。