市販のカレールウを使用せず、複数のスパイスを組み合わせて作る「スパイスカレー」。スパイシーな香りと味わいがクセになりますよね。お家で作るのは難しそうに見えるかもしれませんが、実はたった数種類のスパイスがあれば、ご家庭でも簡単に作ることができます。
ここでは、レトルトカレーのプロであるNISHIKIYA KITCHENの商品開発担当者が、基本のスパイスの使い方や、スパイスカレーのレシピなどをご紹介します。スパイスカレー作りに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
これだけ押さえよう!カレーの基本スパイス8つ
お家でスパイスカレーを作るのは、ちょっと難しそうに見えるかもしれません。そんなハードルの一つとして、スパイスの種類の多さが挙げられます。
本場インドのスパイスには、数えきれないほどの種類があります。しかし、これらをすべてそろえる必要はありません。3~5種類のスパイスがあれば、本格的でおいしいスパイスカレーやアレンジレシピを楽しめます!
後ほどご紹介する基本のスパイスカレーのレシピでも、使用しているスパイスはたったの4種類のみ。ぜひ覚えてみてください!
まずは、カレー作りの基本となるスパイスを8種類ご紹介します。お好みのスパイスを探すヒントにしてみてくださいね。
クミン
インド料理を代表するスパイスの一つです。エジプトが原産で、セリ科の一年草の種子部分を使います。エスニックな強い香りが特長です。調理の始めに油で炒めて香りを引き出すためのスタータースパイスとしてもよく使われます。お肉や魚、野菜など幅広い食材との相性が良好です。
コリアンダー
地中海沿岸が原産地のスパイスで、セリ科の一年草の種子部分を使います。柑橘系の爽やかで甘い香りが特長です。同じ植物の葉の部分は「パクチー」ですが、種子と葉で風味が異なります。コリアンダーはほんのりと甘みがあるため、クッキーやカステラなどの焼き菓子にも使われ、ピクルス作りにも欠かせません。
ターメリック
ターメリックは別名「ウコン」とも呼ばれ、料理の色づけや香りづけに使われます。インド原産のショウガ科の植物の、根の部分です。鮮やかな黄色が特長で、衣服の着色料として使われることもあります。丸みのある苦みが感じられますが、他のスパイスと比べると風味はそれほど強くありません。
レッドペッパー
レッドペッパーは、乾燥させた赤い完熟唐辛子です。中南米原産のナス科の多年草で、気候にかかわらず育ちやすいため、世界各国に生育しています。口の中が熱く感じるような、刺激的な辛さが特長です。辛さ以外にも独特の香味があり、料理の旨みを引き出す効果もあります。
ガラムマサラ
ガラムマサラは、インドを代表する混合スパイスです。一般的に3~10種類程度のスパイスが配合されています。インドの家庭では調合を繰り返しながら日々使われています。主なスパイスは、クミン・コリアンダー・カルダモン・シナモン・クローブ・ナツメグなどです。配分には決まりがなく、家庭によって異なります。
カルダモン
カルダモンは、インドやスリランカが原産の多年草で、実の部分を使います。清涼感のある高貴な香りがあり、かつては高値であったことから“スパイスの女王”とも呼ばれています。ほろ苦い味わいが特長で、少量でも十分なほど香りが強いため、料理に使う際は入れ過ぎに注意しましょう。
オールスパイス
オールスパイスは、ジャマイカが原産のフトモモ科の植物で、実の部分を使います。中世ヨーロッパで珍重された「シナモン・ナツメッグ・クローブ」の3種の香りを持つことから、その名が付けられたようです。お肉や果物によく合うため、シチューやマリネのほか、お菓子やジャムなどにも使用されます。
クローブ
クローブはインドネシア原産の植物で、開花直前のつぼみを使用します。多数あるスパイスのなかでも、とりわけ香りが強いのが特長です。お肉のくさみを抑えてくれるため、ハンバーグやミートボールなどの肉料理に適しています。一方で、焼き菓子や焼きリンゴといった、甘いものとの相性も良好です。
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プロが教える!基本のスパイスカレーの作り方
ここからは、NISHIKIYA KITCHEN商品開発担当者が、初めてでも簡単に作れるスパイスカレーのレシピをご紹介します。
たった4種類のスパイスを使うだけで、スパイシーで本格的な北インド風のカレーができあがります。ぜひご自宅でチャレンジしてみてください。
北インド風チキンカレーの材料(2人前)
以下では、スパイスカレーの材料をお鍋に加えていく順で表記しています。まずは基本のレシピで作ってみて、お好みでスパイスの種類を増やしていくのもおすすめです。基本の作り方を覚えたら、お肉の種類を変えたり野菜を追加したりして、アレンジを楽しんでみてくださいね。
【材料①】
・サラダ油…大さじ2
・玉ねぎスライス…中玉1/2
【材料②】
・生姜ペースト…小さじ1
・にんにくペースト…小さじ1
【材料③】
・生トマトカット…中玉1/2
・しし唐小口切り…3本
・ヨーグルト…80g
【材料④】
・ターメリックパウダー…小さじ1/4
・カイエンペッパー…小さじ1/8
・コリアンダーパウダー…小さじ1
・塩…小さじ1
・水…1/2カップ
【材料⑤】
・鶏モモ肉カット…200g
【材料⑥】
・ガラムマサラ…小さじ2
北インド風チキンカレーの作り方
① 鍋でサラダ油を熱したら、中火で玉ねぎスライスを黄金色になるまで炒めます。
② 弱火にしてから生姜とにんにくペーストを炒めて、香りを出しましょう。
③ トマト・しし唐・ヨーグルトを加えて、弱火のままよく混ぜてください。
④ スパイス・塩・水を入れて、中火にしてよく混ぜます。
⑤ 鶏肉を入れたら、蓋をして弱火で煮込みましょう。
⑥ 鶏肉に火が通ったら、ガラムマサラを加えて、少し煮込んで香りを出します。
最後に、ごはんと合わせてお皿に盛りつけたら完成です♪
スパイスの香りが食欲をそそるカレーに仕上がります。ぜひご自宅でプロの味をお楽しみください。
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スパイスカレーをおいしく作る5つのポイント
基本のスパイスカレーをさらにおいしく作るために、以下のポイントを参考にしてみてください。
【1】玉ねぎはしっかりと炒めましょう。
【2】スパイスにきちんと火を通して、香りを出しましょう。
【3】材料をすべて入れ終わったら、とろみが出るまで煮込みます。水分が足りないときは、差し水をして調整してください。
【4】最後に味見をする段階で、塩を入れながら味を調整しましょう。
【5】ガラムマサラはお好みで量を調整してOKです!
お伝えしたポイントを参考に、お家でおいしいスパイスカレーを作ってみてくださいね。
プロが教える!スパイスを使った簡単アレンジレシピ2選
スパイスはカレーのほかにも幅広い料理で使えます。気になるスパイスがあれば、ぜひ食卓に取り入れてみましょう。
最後に、NISHIKIYA KITCHENの商品開発担当者おすすめの、スパイスを使ったレシピを2種類ご紹介します。
【1】スパイス香る「キャロットラペ」
キャロットラペの作り方はとても簡単です。千切りにしたニンジンをボウルに入れて、オリーブオイル・レモン汁・クミン(シード)を加えて和えるだけで作れます。クミンの爽やかな香りとレモンの酸味が特長です。忙しいときでも簡単に作れて、カレーの付け合わせにもぴったりなメニューとなっています。ぜひスパイスカレーのおともに、スパイス香るキャロットラペを作ってみてください。
【2】一味違う「スパイスチャーハン」
いつもとは一味違う、スパイス香るチャーハンのレシピをご紹介します。
あらかじめ和えておいたトッピングスパイスを、炒め用と仕上げ用に分けて使うのがポイントです! 食欲をそそるスパイシーなチャーハンを、ぜひご家庭でお試しください。
スパイスチャーハンの材料(2人前)
・ごま油…大さじ2
・溶き卵…1個分
・ごはん…400g
・長ネギ…10cm
・ウインナー…3本
【材料①】
・しょうゆ…小さじ2
・塩コショウ…ふたつまみ
・鶏ガラスープの素…小さじ1
【材料② 炒め用トッピングスパイス】…小さじ2
・クミンパウダー
・フライドオニオン
・フライドガーリック
・唐辛子パウダー
・パセリパウダー
【材料③ 仕上げ用トッピングスパイス】…小さじ1
・クミンパウダー
・フライドオニオン
・フライドガーリック
・唐辛子パウダー
・パセリパウダー
スパイスチャーハンの作り方
① 長ネギはみじん切りにして、ウインナーは5㎜角にカットしておきます。
② 中火で熱したフライパンにごま油を引き、【材料②】のトッピングスパイスを入れて長ネギ、ウインナーを炒めます。長ネギがしんなりしてきたら溶き卵を回し入れて、さらに炒めましょう。
③ 卵に火が通ったら、ごはんを入れて強火で炒めます。ごはんと具が馴染んだら、【材料①】の調味料を入れてさっと炒め、全体に味が馴染んだら火からおろします。
④お皿に盛りつけて、【材料③】のトッピングスパイスをふりかけたら完成です♪
NISHIKIYA KITCHENスパイスカレーの魅力
NISHIKIYA KITCHENの商品開発担当者は、日々スパイスの研究に励み、多彩なスパイスを使って商品開発を行っています。
たとえば、オールスパイスをメインに使用した「ジャークチキンカレー」。
オールスパイスの香りに唐辛子、ブラックペッパー、ホワイトペッパーの辛みがきいたソースで香ばしく焼き上げた鶏肉と合わせた、スパイシーなカレーです。
同じくワールドカレーシリーズの「麻婆豆腐カレー」には、「花椒(ホアジャオ)」を使用しています。
花椒の痺れる辛さと唐辛子のヒリヒリする辛さに、ひき肉の旨みが加わったソースで豆腐を煮込んだ辛口のカレーです。
また、和歌山県産のぶどう山椒を使用した、痺れる辛さの「ぶどう山椒キーマカレー」もおすすめです。
山椒は「ジャパニーズペッパー」とも呼ばれ、スパイスの一種として知られています。柑橘類のような爽やかな香りに、痺れるような辛さが引き立つよう、シンプルに仕上げました。
基本のスパイスの種類や、NISHIKIYA KITCHEN商品開発担当者によるスパイスカレーのレシピなどをご紹介しました。
スパイスカレーは、数種類のスパイスを組み合わせるだけで簡単に作ることができます。
この機会にぜひ、ご自宅でスパイスカレー作りにチャレンジしてみてください。